前回までの記事はこちら。

源三です。

今回で井上氏の家紋物語については最終回です。

今回は少数派(?)と思われる家紋についてです。

井上氏の家紋の種類はとにかく多いです。全てを紹介するのも不可能ですし、まだまだ私の知らない家紋が多々存在することと思います。

注意しておきたいのが、川中島合戦の際に惣領の井上が上杉側についたのに対して、武田側についた井上氏の末裔の方々の家紋はよくわかりません。武田の菱紋を使った紋様がある、なんて聞いたことありますが実物を見たことがありません。家紋辞典などの類の本も武田派井上氏の家紋については全く触れません。

これはある意味しょうがないのです。

「井上は上杉についた」と、少し井上の歴史を勉強すればわかることであり、上杉方についた惣領だけの家紋を調査してきたため、実際には武田側についた井上氏の家紋が「?」の状態なのです。

菱紋と剣片喰

浄運寺さんで、武田氏ゆかりの家紋である菱紋剣片喰が施された仏具(?)のようなものを見つけましたが、これが武田派井上氏とゆかりがあるのかは不明です。

まだまだ紹介しきれていない家紋が沢山あることと思います。けれども、有名どころは網羅できたのではないかなと思っております。

最後は、まさに「井上」の漢字がそのまま紋様になった家紋を一気に紹介していきたいと思います。

江戸後期〜明治頃の重箱(浄運寺蔵)

もちろん代表的なのは「井桁」です!井桁の中に様々な家紋が加えられるパターンもあります。例えば前回紹介しました、先の菱が「井」の中に描かれて紋様が、武田氏家臣であった井上氏の末裔の家紋となっている方もいました。

次に、「井上」の漢字がそのまま紋様として書き加えられたものをご紹介します。

江戸時代の角樽(浄運寺蔵)
江戸初期の表装(浄運寺提供)
井上に家紋に剣片喰を組み合わせた反物(浄運寺提供)

写真は全て浄運寺から提供していただきました。

何度も申し上げてきたつもりですが、家紋はルーツを探る上で絶対的な根拠とはならないそうです。特に井上氏のように歴史がある大所帯は家紋も数えきれない程の種類があるでしょう。しかし、一つの手がかりになるのは間違いありません。

また何か新しい家紋を見つけましたら寄稿していきたいと思います。